2015年03月09日

富士精版印刷 創業65周年迎え企業体質強化を宣言

富士精版印刷・石川会長、里永社長h27.3.9.JPG 富士精版印刷(本社・大阪市、里永健一郎社長)は昭和25年6月の創業以来今年で65周年を迎えている。里永社長は就任して2年目になる今年、年初に次の4つの重点項目を社員に示した。
 ▽当社は生産会社であり、設備のフル稼働を目指す。そのために、受注拡大に全力を尽くすこと▽市島工場改革委員会を立ち上げ、市島工場の黒字化に向けて改革を推し進めること▽品質管理をさらに強化し、事故撲滅を全力でやり遂げること▽社内のコミュニケーションを活発にするために、挨拶の励行と横の連絡を徹底すること――など。
 また、この4点を踏まえて各本部長が策定した今年の合言葉を先月開催した取引先の会「富士会」で会場に掲示した。その合言葉は、▽営業本部は開発、開発、開発と収益力アップ▽生産本部は業務効率化と原価管理の徹底▽製造本部は技術力強化と生産性向上▽品質管理室は作業標準の見直しと不適合撲滅▽管理本部は社員教育と財務体質の強化――など。
 そして、「全社挙げて業績向上に努め、創業65周年を立派な成績で飾りたいと思う」とした。
 同社創業の頃を振り返ると、石川忠会長は大正14年、瀬戸内海に面した愛媛県川之江市(現在の四国中央市)で出生。昭和24年に慶應大学を卒業して父親(芳男氏)が経営していた大阪中央製紙(吹田市の製紙工場)に入社した。
 父親は泉貨紙生産の製紙会社をやがて整理し、昭和25年に番頭との共同出資により淀川区で印刷工場の経営を始めた。これが富士精版印刷の誕生である。
 石川会長は昭和33年に社長に就任したが、「内勤から転じたので営業は見習い。それで武田薬品の担当者から『印刷を知らない若社長』と言われた。当社の経営方針はこの時の叱咤激励がもとになっている」という。
 平成21年には「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれ、経済産業大臣から感謝状を贈られた。これは同社の永年にわたる「高品位印刷」などの新技術を社内だけに止めず、広く業界に公開してきたことが印刷業界の発展に寄与したと認められたもの。
 印刷機械の性能は日進月歩で進んでいるが、それでも最後は技術者の目が欠かせない。石川会長は、「例えばインク一つをとってみても、サラッとしたインクで印刷すれば水彩画のようになるし、こってりしたインクを使えば油絵のようになる」という。
 これは感覚的なものであり、印刷機械とは別に人間の感性が必要な部分である。印刷は文化産業といわれるように、人間の技術が必要。その土台となるのは芸術的な感覚である。これは今日、印刷の付加価値の大きな要素となっている。
posted by 泉 at 19:08| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2015年02月22日

一見さんお断り 京都花街の経営 西尾久美子京都女子大教授が午さん会で講演

 大阪府紙商組合(中山弘文教養委員長)の第338回午さん会講演会は2月10日正午から、JPビル第2会議室で開催され、京都女子大学現代社会学部教授・西尾久美子さんが「京都花街の経営」~舞妓さんの育成と一見さんお断り~と題して講演した。
西尾久美子京都女子大教授(5%)h27.2.JPG 京都花街は、高度な技能をもつ専門職の女性たちが働く世界である。お茶屋の経営者の中にごくわずかに男性が見受けられるが、基本的には女性ばかりによって成り立ち、切り盛りされてきた街である。こうした特色があるからこそ、ここには特色あるしきたりが見受けられる。それが「一見さんお断り」である。
 この「一見さん…」は、京都花街の格式の高さの比喩にあげられることがあるが、現代の言葉に例えれば会員制ビジネス、しかも非常に長期にわたって継続しているシステムといえよう。
 明治時代、文豪の夏目漱石が京都にやってきた時にも、人を介してお茶屋を訪れている。ゴルバチョフ・元ソ連大統領や超有名な歌手がいきなりお茶屋を訪れたら、利用を断られたという逸話も残っている。
 お茶屋のお母さんは、初めて見るお客がいきなり玄関先に立ったとき、「堪忍どっせ、どなたはんかのご紹介があらへんと、うちとこでは、ようお請けでけしませんのどす」という丁寧な断りをする。
 あるいは、顔を見たことがあるような有名人の場合は、「せっかく来ておくれやしたのに、今日はお座敷がいっぱいなんどす。堪忍しておくれやす」と相手の顔をつぶさないような配慮をして断る場合もある。
 この「一見さんお断り」が生まれた背景については、①長期掛け払いの取引慣行→債務不履行の防止②もてなしというサービス→顧客の情報にもとづくサービスの提供③職住一体の女所帯→生活者と顧客の安全性への配慮―の3つが挙げられる。
 まず取引慣行だが、なじみのお客は、財布を持っていなくても、お座敷で遊ぶことができる。つまり、遊びにかかる経費一切をお茶屋が立て替え、後日清算するというしくみである。
 お茶屋を利用する経費はもちろんのこと、お茶屋経由で二次会に行ったときには、そのお店の支払い、移動のタクシーの支払いなどもすべてお茶屋へ請求書が回り、お茶屋は顧客から支払いを受ける前に、その金額すべてを立て替え払いするのである。
 しかも、お客への請求は、1カ月から2カ月先になることはあたりまえで、場合によっては半年先に請求書が届くこともあるという、長期掛け払いの商取引慣行が江戸時代からずっと続いているのだ。
 この会計システムは、お客とお茶屋の間に相当の信頼関係がなければ成り立たない。初めて見るお客との間では、いきなり信用は作れないから、一見さんお断りのシステムが存続しているのだろうということは、すぐに理解できる。
 花街で提供されるサービス「もてなし」は、顧客の好みによって提供内容がさまざまである。お茶屋では顧客の好みを十分にわかったうえで、何をどうするのかいちいち顧客に確かめず、芸舞妓さんたちや料理の手配をする。
 だから、初めてのまったく情報のないお客は、どんなサービスが好みなのかわからず、お座敷で満足なサービスを提供することができないからご遠慮いただいているとお茶屋のお母さんは言う。
 お客が上がるお座敷はお茶屋の中にある。このお茶屋は、お母さんやそこで働く女性たちにとっては仕事の場であると同時に生活の場でもある。
 お座敷に一見さんのお客をあげることは、知らない男性を女所帯の家の中に招き入れることになり、いくら知名度があっても、現金を積まれても、安全上不安だからお断りしているのだという。
 また、お茶屋の利用者には社会的地位のある顧客も多く、花街の職住一体の女所帯ならではの安全性の配慮は、顧客に対する安全性への配慮にもつながっている。
posted by 川 at 20:04| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2015年02月19日

段箱専業の窮状訴える 大阪紙器段箱工組関連業界の講演会で塩谷嘉太郎理事長

 大阪府紙器段ボール箱工業組合(塩谷嘉太郎理事長)の関連業界文化講演会は2月4日午後3時半から、KKRホテル大阪「白鳥の間」で開催され、関連業界から147人が参加した。
塩谷嘉太郎大阪紙器段箱工組理事長(5%)h27.2.19.jpg 塩谷理事長(塩谷紙器社長)は冒頭挨拶で、「数量の伸び悩みが続いている。紙器・段ボール箱の業界は、印刷紙器の方が昨年は一昨年と変わらない数量だった。段ボール箱の方は、全段連の発表で136億2千万平方㍍。そのうちわれわれボックス専業メーカーのシェアは、シート購入実績で昨年が39億8千万平方㍍で、29.24%。一昨年の29.8%からすると約6%ダウンした」「平成10年は135億平方㍍であり、その時にわれわれのシート購入は53億平方㍍で、一貫メーカーのシェアは80億平方㍍ぐらいだった。去年は一貫が93億平方㍍ぐらいになっている。段ボール箱は加工業だから、経営の成り立つ加工賃を頂かなければならない。今までに値上げがあったりして、一息ついたこともあったのだが、そのたびにボックス専業は耐えきれない価格を強いられ、利益を無くした」と窮状を訴えた。
 また今後の見通しについて、「今年から来年にかけても状況が悪い。市場で値上げができず、一息つけない状況が続くという覚悟が必要。関連業界の方々は勉強会に出席し、情報交換やコラボレーションに努めていただきたい。昨年も倫理的集団ということを申し上げたが、職業集団の倫理に適った仕事をしていくという企業が増えてくれればいいと思うが、一向にそうならない」「多分、ボックス専業のシェアは25-26%ぐらいまで下がると思うが、その中に生き残りをかけて、色んな情報交換をし、この好きな紙器・段ボール箱の仕事をやって行きたい」と述べた。
石平講師(5%)h27.2.19.jpg 講演会は昨年に引き続き、評論家の石平(せき・へい)氏が「日中関係の現状と今後の行方」をテーマに講演した。石平氏は、尖閣問題と中国の覇権主義的海洋戦略に関し、①伝統的大陸戦略から「海洋強国戦略」への転換②尖閣問題の経緯と中国の領土要求の不当③「尖閣国有化」に対する中国の反発の背後④南シナ海への進出が招いた周辺国の反発―など各論断。
 習近平政権はどこへ向かうのかについて、①「民族の偉大なる復興」を掲げたことの真意②「強軍」路線を進める超タカ派政権の行方③三つの「日中戦争関連国家的記念日」制定―など指摘。2015年も「反日一色」となるのかを探った。
 尖閣問題の行方と日中関係の今後について、①習政権下の軍事的威嚇行為の増長②安倍政権の外交戦略とアジアを舞台にした日中の攻防③日中首脳会談が実現された理由と今後の展開④2014年の中国経済情勢と今後の行方―などの指摘から「敬遠中国」の奨めを結論とした。
北村光雄製紙連関西運営委長(5%)h27.2.19.jpg 講演終了後の懇親会で、関係団体を代表し、製紙連合会関西支部運営委員長で日本板紙組合連合会の北村光雄会長(大和板紙会長)は、次のように挨拶した。
 「われわれの紙関連業界は、製紙メーカーの数がうんと減っている。われわれの方の(生産・出荷)数字はほとんど横ばい。また紙器段ボール箱工業組合のメンバーの数も減っている。紙器・段箱の業界が大変なように、製紙メーカーも大変。しかし大変、大変と言っていても物事は進まない。
 安倍内閣の言う、賃金を上げて消費を伸ばそうという方針にわれわれは乗って行かなければならない。私は昨年、公取とか経産省に行って、『電気やガス料金の値上げで利益はうんと減った、メンバーの中にも赤字で苦しんでいるところもある』と訴えたら、『原価、コストが上がったら、製品に転嫁して下さい』ということだった。それをやろうと思えば大変なこと。しかし、大変だと言って、問題が解決するわけではない。皆さん、賃金を上げて消費を増やすためにどうすればいいか。皆利益を出さなければならないという結論なのである。泣かずに前を向き、賃金を上げること、税金を払うことを実現するため頑張ろう」。
posted by 泉 at 19:06| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする